郊外編 (2004.3.31)
とりあえず鉄道庁に対する不満を書き連ねてみる。
高速鉄道の開業にともない、統一号が廃止されるという話は知っていたが、それは3月18日限りということだった。高速鉄道の開業は4月1日なのにひと足早く統一号がなくなるというから、最後の週末となる12〜13日(ちなみにオレは金土が休み)に乗り納めまでしたのである。しかし、実際に廃止となったのは19日なんかではなく、高速鉄道開業前日の3月31日というのが真実だったのだ。ならば、乗り納めの後も週末は2回もあったわけで、それを利用してもっと乗ることができたはずなのである。ひさしぶりに日本に帰るにあたっては、統一号廃止のスケジュールを念頭に日程を組んだわけで、オレが日本に滞在していた25〜28日の間も本来なら統一号乗りまくりができたはずなのである。19日には高速鉄道の無料試乗会に参加しているからあまり文句は言いたくないのだが、あんまりではないのか?
ソウルの郊外を走るその名もずばり郊外線というのがある。これも乗客が少ないので高速鉄道開業を機に旅客営業を廃止するという。そういう話を聞いたのも10日前のこと。高速鉄道の開業により従来のセマウル号やムグンファ号は大幅に削減されるし、統一号も廃止になる。なのに、4月からの新ダイヤが直前まで発表されないというのはまったく利用者を無視したものであり、「乗せてやってる」という態度が見え見えである。高速鉄道開業でうかれるのも結構だが、もう少し利用者のことを考えるべきだと強く思う。
前置きが長くなったが、郊外線の旅客営業廃止の情報をつかんだのが23日で、その週の週末は日本に帰っていたのでもう乗りに行く機会がない。残念ながら乗らずに終わってしまいそうな雰囲気だったが、幸いにも1日3往復しかないうちの1本は早朝に運行しているのだ。ならば出社前に乗ることもできる。ということで、旅客運行最終日となる3月31日に乗りに行くことにした。
郊外線はソウルと議政府を1時間半で結ぶローカル線。地下鉄1号線がソウルと議政府を50分で結ぶことを考えると、通して乗る乗客はほとんどいない。通しでなくてもほとんど乗客がなく、1日に100人程度しか乗らないらしい。ただ、ソウル郊外でありながらのどかな風景を走るだけに、週末になるとちょっとした旅行気分を楽しむ人たちも訪れるという。オレもその存在は知っていたのだが、ソウルから近いためにいつでも行けると安心していたのが命取りで、悲しいかな最終日になってようやく重い腰を上げることになったのだ。
■6時10分発 議政府行
ソウル発6時10分の列車に乗るためには5時過ぎには起きなくてはならないのだが、早起きが苦手なせいで気が付くと5時半をまわっていた。あたたかいふとんから出るのが億劫で、そのまま寝続けようとも思ったのだが(実は前日に行こうとしていたのだが、ふとんから出られず行けなかったのだ)、最終日なので無理やり起きて身支度を整えて家を出た。タクシーでソウル駅まで行き、切符を買う。郊外線の切符売り場は一番端にある。議政府までは1,200ウォンで、切符は硬券だ。しかも驚いたことに、切符の地模様が昔の鉄道庁のものだった。新デザインのものに切り替えて数年が経つわけだから、ソウル―議政府の旅客需要がいかに少ないかがわかる。
ホームに降りると列車はすでに入線している。3両編成のディーゼルカーに乗客はオレを含め4人。そりゃ廃止になるわな。
■ディーゼルカー
ソウルを出た列車は途中の大谷まで京義線を走る。京義線の幸信には高速鉄道の車両基地があり、途中で何回か高速鉄道の列車とすれちがった。大谷を出ると沿線は一気にローカルムードとなる。途中駅はほとんどが無人駅で、造りも非常に簡素だ。ときどき貨車を留置してある駅があったり、突然高架線を走り出したりと、日本の地方私鉄のような趣も感じられとても気に入ったのだが、惜しいかな、きょうが最終日となってしまった。こんないい路線だと知っていたらもっと早く乗りに来るのだった。
■乗客はほとんどいなかった
ソウルを出て1時間、日迎で対向列車と交換する。駅員が配置されているのはこの駅だけ。相対式ホームでの交換風景もいいムードだ。
さらに進むと地下鉄の議政府北部駅があり、ここから地下鉄と並走する形で議政府駅のホームに滑り込む。到着間際に車掌が案内放送をはじめた。「みなさまにご案内申しあげます。郊外線の運行は本日が最後となります。明日からのご利用はできませんのでお間違いのないようお願いいたします」。最終日とはいえ鉄道ファンが乗り納めにくるわけでもなく、ほとんど人のいない車内はたぶんいつもと変わらぬ日常風景だったのだろう。最後の案内放送だけが最終日であることを感じさせた。旌善線のように廃止が噂されながらも復活した例もあるが、残念ながら郊外線はそういうわけにもいかなさそうだ。ただ、鉄道庁は週末に限り1日1往復の旅客列車を運行する意向だとか。まぁ統一号の廃止情報について前科があるので、こんな意向とやらも信ずるに値しないのだが、ほんとに運行するならまた乗りにきたいところである。
■議政府駅にて
主な出費 ソウル→議政府 1,200ウォン合計 1,200ウォン