栄州・大田編 (2006.6.23)
「遠くへ行きたい」と言っておきながら、段々と間隔が開いてしまい、「ほんとに遠くへ行きたいのか!」とするどいツッコミが入るきょうこの頃ですが、やっと最終回を迎えることができました。足掛け4年、実際は2年8カ月という長期にわたるプロジェクト。とっととやっておけば半年で終わるようなもので、無駄に時間ばかりかかっているのはどうしたわけなのやら。
さて、最後に残ったのは栄州と金泉を結ぶ慶北線。この路線も1日3往復しかないという乗りにくい路線。この路線が最後に残ってしまった理由は簡単で、列車の時間が微妙な上、目的地としていまいち魅力に欠けるため。大都市間を結ぶ路線でもなく、中間に大きな町があるわけでもない。それでも行ってみればなにかしらありそうなものなんだが。
スケジュールを決めようとして時刻を見たら、これがさえない。
金泉発の列車は9時37分の次は8時間後の17時36分までないという。その次は20時56分。せっかく乗るのだから夕方以降の列車は避けたい。避けたい以前に、17時36分発に乗って19時56分に栄州に着いても、そこから清涼里に戻ってこれない。栄州からの清涼里行きは19時51分発。たった5分の差で乗れないのが悲しい。結局、金泉発だと乗れる列車は9時37分発しかない。
反対に、栄州発は6時5分、10時40分、14時00分の3本。
始発は当然乗れないのだが、10時40分の列車も、清涼里からの始発に乗っても間に合わない。清涼里から栄州を通る列車の始発は9時00分。セマウル号で3時間半かかる。
結局、乗れる列車は金泉発9時37分か、栄州発14時00分のどちらかしかない。
金泉発だと朝7時前に出発しないといけないので、結局栄州発のに乗ることにする。
■左:清涼里駅 ■右:安東行きセマウル号
清涼里から9時00分発の安東行きセマウル号に乗る。セマウル号に乗るのは久しぶり。特室はないので普通席でがまんしておくが、それでもKTXよりもゆったりした座席は気分がいい。
コンビニで買ったサンドイッチなどをつまみながら、中央線を南下していく。栄州には12時27分到着。慶北線は14時00分発なので1時間半ほど時間がある。
栄州は以前に清涼里から釜田までの鈍行列車に乗った際に、機関車の付け替え作業の関係で長時間停車したときにホームでうどんを食べた記憶がある。あるいは江陵行きの夜行列車に乗ったときに、夜中に到着した栄州駅で方向転換するので前後の客に起こされ座席の向きを替えさせられた思い出とか。そんなこんなで駅の外に出るのは今回が初めてだ。
■左:栄州駅の駅名標 ■右:駅前のさびれた市場
駅を出るとそれほど開けた町ではなさそうな雰囲気。観光案内所でもないかと駅前をうろつくがそんなものはなく、駅の中に引き返してパンフレットでもないかと探したがそれもなく。1時間半しかないから観光といってもたかがしれているわけだが、パンフレットもないとはなぁ。
駅前からふらふらと市内を散策してみると、すぐに市場を発見。しかし人も少なく、閉まった店も多いなど、活気が感じられない。小一時間ほど散策したもののなんの収穫もなく、駅前の食堂で食事をして駅に戻る。乗車するのは栄州発釜山行きのムグンファ号。
■左:栄州駅 ■右:釜山行きムグンファ号
進行方向右側に座っていたので気付かなかったが、途中で乃城川沿いを走るので、左側の席だと川沿いの景色を楽しめる。
沿線の町には、醴泉、店村、尚州などがある。醴泉には空港があって、安東観光の玄関口として使われているらしい。いまでも定期便があるのかどうかは知らない。
店村は、聞慶と加恩に向かう支線の分岐駅で、以前は旅客列車が走っていた。現在も貨物営業はしているらしい。尚州は慶尚道の「尚」の由来となっている町。
このうちのどれかで下車してみたいと思ったのだが、慶北線の時刻の都合上どうすることもできず。そもそも、今乗ってる列車は金泉方面行きの最終列車なのだ。
■左:金泉駅の駅名標 ■右:金泉駅。いちおうこの企画の最終目的地
2時間ほど走り列車は16時13分に金泉に到着。これにて今回の企画である韓国鉄道全線走破を一応の終わりとなる。厳密なことを言うと、まだ乗っていない路線がないわけではないのだが、そこまで厳密にこだわる気はないので「ほぼ全線走破」ということで。
思い返せば長い道のりではあったのだが、いまいち企画終了という感慨もわかない。まぁ後半に入ってからどうもやる気がなかったから仕方ないのかも。
さて金泉。幹線である京釜線だけに、ソウル方面への列車の本数は多い。観光でもしてから引き揚げようかと思い、駅前の観光案内所を探すものの、ここも案内所がない。なんだかなぁ。
そんなわけで、今回は観光は一切なく、移動だけの旅行となってしまった。
とりあえず、滞在20分でソウル行きのセマウル号に乗り込む。そのままソウルに戻っても仕方ないので、大田で下車することにする。せっかくの最終回ということで、祝杯を上げるべく、大田在住の読者2人とオフ会を企画した次第。
■左:セマウル号新塗色に遭遇 ■右:大田地下鉄大田駅
17時30分に大田に到着。約束時間まではまだ間があるので、開業したばかりの地下鉄に乗ってみる。将来的には各地の地下鉄全線走破なんていう企画も悪くはないかと思うのだが、車窓風景が見られるわけでもないし、あんまりおもしろくなさそうな気がする。
駅で切符を買うと丸いプラスチック製のトークンが出てきた。ICチップが内蔵されていて、自動改札機に切符をタッチして乗る仕組み。降りる時は改札機に投入する。慣れてしまえばどうということのない仕組みだが、丸いプラスチック製というのは通常思い描く「切符」とは似ても似つかぬ姿なので面食らう。
取り合えず、大田駅から始発駅の板岩駅までを試乗。最近の地下鉄の傾向なのか、車体断面が小さい。ソウルのように広い車両に乗り慣れているとすごく小さく思える。開業したばかりだけあって、駅もホームもキレイ。
折り返して市内の繁華街にほど近い中央路駅で下車。きょうは観光らしいことをしてないので、辺りを散策してみる。取り立てて見るものがあるわけではないが、とりあえず市場をうろついて帽子を買ってみたり。近くのロッテリアで軽く食事し、駅のコーヒーショップで休憩しながら待ち合わせ。2人と合流し、近くのビアホールで祝杯。心地よい疲れにビールもしみる。クダを巻きながらビールを飲み続け、23時過ぎに解散。前日に突然招集をかけたにもかかわらず、駆けつけてくれた上にごちそうまでしてくれたお二方に感謝。
■左:大田地下鉄の切符 ■右:仁川空港鉄道の車両に遭遇
大田発最終のKTXでソウル到着はすでに日付も変わった午前0時20分。
思い返せば2年8カ月前、突然思い立って始まった企画だが、なんとか無事に終了。
最後の回だけは観光していないものの、その他の回ではけっこうマニアックな観光地にも行けたし、貴重な経験となりました。こんなダラダラ企画におつきあいいただいた読者のみなさまにも感謝申し上げます。こんな旅行記でもなにかのお役に立てれば幸いです。
それではまた、次の企画でお会いしましょう!。
主な出費 清涼里→栄州(セマウル号) 17,300ウォン栄州→金泉(ムグンファ号) 6,200ウォン金泉→大田(セマウル号) 7,300ウォン大田→ソウル(KTX特室) 27,100ウォン食費など 10,000ウォン合計 67,900ウォン