香港でトラムを借りてみよう
2007.12.25〜27


 なんだか偶然ではあったのだけど、2007年は仲良しグループの中でメンバーが誕生日を迎えると海外で祝うというのが慣例になってしまっていたのだね。5月にグアム、9月のオレの誕生日はサイパンという感じ。それなら12月25日に誕生日を迎える友だちも慣例にのっとり海外でパーッとやろうか、という話になったのである。

 行き先は香港となった。まぁうまいもんでも食えればいいか、くらいにしか考えていなかったのだが、ふと香港名物である2階建てのトラムはチャーターすることができるということを思い出した。1人で遊びにいくのに借りるわけにはいかないが、数人で行くのであれば借りてみるのもまた楽しかろう。誕生日のサプライズプレゼントとしてもけっこういい演出じゃないかしら。

香港の風景 香港の風景


 そんなわけで、オレが独断でこれの手配を進めることにした。気がつくとすでに10月も末になっていたわけで、12月25日まで2カ月を切っている。クリスマス当日のチャーターだけに、早急に手配をしなくてはなるまい。とりいそぎチャーターの仕方を検索してみるが、「チャーターできる」ということに触れたページは多いものの、実際にチャーターしたという経験談はほとんど見つからず。見つかったところで詳細な方法までは触れていないので、これは結局のところ、イチからトラムの会社に問い合わせなければならないのだなぁ。

 とりあえず、運営会社である香港電車有限公司(Hongkong Tramway Limited)のサイトに入る。租車服務(Tram Hire)のコーナーを見るがUnder Constructionという表示が。仕方ないので担当者にメールで問い合わせることにした。実際にチャーターするまでに10回ほどのメールのやりとりがあるのだが、当然のことながらすべて英語で進行した。英語がからっきしダメなオレは、友だちや会社の同僚を巻き込んで英訳と返信の日本語訳を頼んでことなきを得たのだが、まわりに英語ができる人がいなければこの計画は頓挫していたに違いない。

 まずは最初の問い合わせ。時間的に余裕がなさそうなので必要な情報をすべて盛り込んでおいた。内容は「トラムをチャーターしたい。オレは外国人で海外在住だがそれでも可能か。可能ならば12月25日の夕方に借りたい。予約の方法や支払いなどについて教えてほしい」という感じ。

 返事は翌日に来た。「借りることは可能だが、12月25日なら19時30分から2時間あいてるだけ。予約は乗車1カ月前までに料金振り込みまで終えなくてはならない」とのこと。PDFによるパンフレットも添付されてきた。メールの最後には「わからないことはお気軽に電話下さい」とあったが、電話できるくらいなら苦労はしないわな。そしてあいている時間がこの2時間だけということで、これはもたもたしてると間に合わないぞ。ということで「その時間でOKだ。すぐに料金を振り込むから口座番号など必要事項を告知されたし」と返信を送った。

香港の風景 香港の風景


 この返事も早かった。直後に申込書のフォーマットが送られてきたので、プリントして必要事項を記入し、パスポートのコピーとともにスキャンして画像化したものを返送した。申込書に書くのは氏名、住所、電話番号、使用目的など。これの確認後、仮予約成立のメールが送られてきた。

 メールには契約書がPDFで添付されており、これに署名捺印の上で画像化して返送する。それとチャーター料金を振り込まないといけないので近くの銀行で海外送金の手続きをする。海外送金はいちいち申込書に送金理由を書かなきゃいけないのだが、この場合はなんて書いたらいいんだろうか。銀行の担当者に聞いたら「観光・親戚訪問などその他一般旅行」と書いてくれた。ま、それでいいんだろう。ちなみにこの担当者はトラムをチャーターするという話に大層関心を持ったらしく、手続きの間ずっと「トラムでパーティとはいいねぇ」と感心することしきりだった。送金伝票も画像化して香港に送った。ほどなく入金確認のメールがあり、正式に予約手続きが終わった。問い合わせから予約完了までは3週間ほどかかったことになる。

 ただ想定外だった部分もあった。乗車ルートはある程度こちらの希望が聞き入れられるのかと思いきや、既定のルートしかダメということ。当日はトラムの車庫がある屈地街(Whitty Street)まで最低1人が出向いて引き取らないといけないという。途中での乗り降りは事前に申し込むことで可能だが、車庫まで引き取りに行くのは正直めんどくさいよなぁ。
 乗車ルートは2時間の場合、車庫から中環(セントラル)を通りハッピーバレーをまわって戻ってくるコースしかない。個人的には北角(ノースポイント)をまわりたかったのだが、これは2時間半コースか3時間コースでなければダメらしい。北角の市場の中をつっきるコースがいちばん香港のトラムらしいところなんだがなぁ。

北角はこんなところ 北角はこんなところ


 その後も何度かトラム会社とメールのやりとりがあった。細かい部分の確認だが、車庫へは乗車する全員がくるのか、途中でピックアップが必要なのかとか、車内での飲食用のケータリングの手配はいらないのかとか。すべて回答してあとは当日を待つだけとなった。前日には香港から確認のメールも来た。

 で、本当は3人で行くはずだったんだけど、直前になって都合がつかなくなり、結局参加者はオレと、誕生日を迎える友だちの2人だけになってしまったというのがいちばんの想定外な結果だったな。ま、いいや。

 25日朝に飛行機に乗り込み、昼過ぎに香港に到着した。ホテルは尖沙咀のラマダホテルなんだが、値段の割にいまいちだったな。フェリー乗り場近くの飲茶の店で腹ごしらえをしてから香港島に渡る。上環をうろうろしながらコーヒーショップでひといきいれる。

とりあえずいろいろ食ってみた。


 で、困ってしまったのが2人で行動してるということね。オレはこのあと車庫にトラムを引き取りにいかないといけない。本来は3人の予定だったので、オレだけが迷子になったふりをしてグループから離れてトラムを引き取りに行き、上環で2人をピックアップするという構想だったのにそれができなくなってしまった。サプライズプレゼントなので本人を連れて車庫までいくのもアレだし、しょうがないので適当な理由をつけて抜け出してきた。MRT上環駅B出口でピックアップなので時間厳守で集合するようにきつく言い渡し、オレはトラムに乗って車庫に向かう。

 その前に、ショッピングモールに入って車内での飲食用にワインとつまみを調達。紙コップがほしかったのだがコンビニに売ってないのであせる。時間があまりないのに紙コップを探してさまよわないといけないのか。さいわいにもモール内に「日本城」という雑貨店があり、そこで調達できた。ついでにサンタの帽子もあったので余興用に買っておいた。なにしてんだオレは。あと調達すべきは、車内でかける音楽のCDなのだが、CDショップに入るもなんかよさそうなのがない。ワゴンで投げ売りしてるようなので充分なんだが、どれもイマイチなんでこれはあきらめた。そういえばワインオープナーは持参してきたのだが、このせいで小さなカバンにもかかわらず飛行機の搭乗手続きで荷物を預けなきゃいけないというのがなんとも。

 いちおう必要なものはすべて調達できた。目指すは車庫である。屈地街行きのトラムで終点まで行き、歩いて車庫に向かう。入口でチャーター担当を呼んでもらい、担当者とピックアップ場所の最終確認の後、担当者とともにトラムに乗車する。トラムは2階の前部と後部がオープンタイプになっていて、車体には電飾が施されている。最大乗車人員は25人なのだが、今回はこれをたった2人で借り切るというぜいたくさ。

これを借りました。 車内の様子


 7時30分をちょっとすぎて車庫を出発。15分ほどでピックアップ場所の上環に着く。友だちには上環に着く直前に電話でトラムの駅で待つよう指示を出さなくてはいけないのだが、困ったことに電話がつながらない。お互いローミングのせいかもしれないが、10回以上トライしても無音か広東語のアナウンスが流れる状態。トラムが西港城(ウエスタンマーケット)に差しかかっても電話がつながらず、冷や汗がだらだら流れる。MRT出口からトラムの駅は目の前なので、最悪の場合はトラムを下りてピックアップしないといけないかも。などと思いながら電話を続けていたらやっとつながった。もう上環の駅にさしかかっているところで、危機一髪というところであった。

 無事にピックアップできたので2階席に上がりワインで乾杯。オープントップなのでやや肌寒い感じもするけども、夜の香港の街を風を切って走るというのもなかなかのもの。トラムは上環から中環の繁華街を通り、ハッピーバレーをぐるりと回ってからまた中環を通り上環に戻る。ときどき前の車両に追いつきすぎてしまい、奇異な目で見られたりもしたが(それはオレがサンタ帽をかぶってたからだろうか?)それもまぁいい思い出だ。そんなことよりも、2人っきりで2時間ってものすごく持て余すわ。多人数でわいわいやってれば3時間でもあっという間なんだろうけど、2人で2時間だと、最初の1時間こそテンション高目だけど、折り返す頃にはなんか冷めてたわ。


■トラムからの風景

サンタ帽をかぶったオレ様 トラムの屋根
中国銀行ビルを見上げる 上環の停留所で記念撮影


 とはいえ、サプライズプレゼント計画はなんとか無事に終了した。車庫まで乗る必要はないので上環で下車してトラムとお別れ。ホテルに戻る途中で食事して帰る。

 ホテルで香港在住の知人に電話をしたら、ホテルのすぐ近くに住んでいるのですぐに出てこいとのこと。あしたゆっくり会おうと思っていたのだがまぁいいや。彼とは前回香港に来た時に会って以来なので2年ちょっとぶり。近くのバーでビールを飲みながらいろいろと与太話で盛り上がった。そのまま歩いて佐敦まで行き、飯屋でごはん食べて解散。

カレー風のごはん 肉煮込みをのせたごはん


 次の日は朝食に粥を食って市内をふらふら。香港島にわたり買い物などしてから昼食。きょう帰るという友だちを駅まで見送りあとはオレひとりで自由時間に。九龍側に戻りショッピングモールなど冷やかしてみるもののたいして収穫もなく。

おかゆさん 高層ビル群
ジャッキー・チェンの手形 ブルース・リーの銅像


夜になったのでフェリー乗り場のほうに行き、8時から始まる「シンフォニーオブライツ」というライトアップショーを眺める。ビクトリアピークにでも行きたかったのだけど、歩き回って疲れてたので断念。コンビニでビールとつまみを買い込んでホテルに帰り、一風呂浴びて酒飲んで就寝。

夜景 ペニンシュラホテル


■シンフォニーオブライツ

 最終日はもうほんとにすることない。今回の目的はトラムのチャーターだったから、それ以外のことはまるで考えてなかったのよねぇ。とりあえず吉野家で牛丼食べてから香港島に移動した。ビクトリアピークに行こうとするも、ピークトラムがすごい行列。飛行機の時間を考えるとあまり悠長に遊んでもいられないんだよねぇ。トラムの撮影なんかしてから早めに空港に向かった。チェックインを済ませフードコートで肉ののっかった丼とビールで腹ごしらえをして、みやげものなどごっそりと買い込んで今回の旅行は無事に終わったのでした。

吉野家の牛丼 トラム



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