鎮海のサクラを愛でる
2008.4.5~5

鎮海は韓国でいちばんと言っても過言でないほどのサクラの名所として知られる。ここを初めて訪れたのは2004年のこと。毎年サクラのシーズンに開かれる鎮海軍港祭を見に行ったのだ。もっとも、狙いは別のところにあったのでサクラをじっくりと見てはいないのだけども。当時のようすはこちら

軍港祭という名の通り、鎮海は軍港であり、軍事的な要所としても有名で、海軍司令部や海軍士官学校などもこの地にある。初めて来た時には司令部内で写真を撮って憲兵に怒られたという苦い経験もあるけれども、それはそれとして、満開のサクラは圧巻であり、サクラ好きの日本人としては何度でも訪れたくなるところだった。そんなわけでその後も毎年のように訪れてはいるのだけど、2005年に行った時は2分咲きでまったくおもしろくなかった。2006年は8分咲きで、まぁまぁよかった。しかし2004年の満開時を知ってるだけに、満開でなければやはり物足りない。2007年は都合で行けなかったが、今年は行けそうだ。毎日開花予想を見ながら、今年は満開の時期に行けそうだったので思いきって休暇を取った。いつもは日帰りで、ソウルから遠いということもあり滞在時間が3時間ほどなのだが、今回は思いきって1泊して夜桜見物までしてしまおうという考えだ。

ソウルから10時40分発のKTXに乗り密陽で乗り換えて14時過ぎに鎮海に到着する。4回目の来訪なので街の様子も知ったもの。まずは帝皇山に登り、頂上にある鎮海タワーから市内を俯瞰してみる。どこを見てもサクラで埋め尽くされている様はなかなかのものだ。

帝皇山からの眺め 帝皇山からの眺め
街には水兵さんがぞろぞろと 登山道前の屋台街


登山の入口付近には屋台がいっぱい出ているので、そのうちの1軒でクッパを食べて昼食とする。その後は駅の反対側にある余佐川沿いを散策する。両側の散歩道にはサクラが、川の両岸には菜の花が咲き乱れ、非常に春らしい雰囲気。ドラマのロケ地にも使われたとかで撮影のあった橋などにはドラマの写真パネルが掲示してあり、記念撮影の人も多く見られた。日本人のツアー客の姿も見られるが、この時期には釜山を拠点に鎮海までサクラを見に来るツアーがあるようだ。

 
余佐川の風景
 
 
似た写真ばかりですまん
 



余佐川から駅前に戻り、今度はバスで鎮海駅の隣である慶和駅に向かう。ここは余佐川とならぶ鎮海でも有名なサクラの名所だ。列車がサクラのトンネルの中を走ってくる姿は絵になる光景だ。

で、鎮海線は1日に3本しか列車が走ってなかったので、それに乗って鎮海にやってくると車内からサクラのトンネルを楽しめるものの、サクラの中を走る列車の写真を撮ることは不可能だった。しかし、今年はシーズン中はシャトル列車が1日5往復走り、定期列車と合わせてもそれなりの本数が走るとあり、せっかくなので列車の写真を撮ろうとここに来たのである。当然列車の時刻もしっかりと調べてきているが、きょうは夕方に走る鎮海行のセマウル号しか撮れそうにない。

列車の来る15分前に慶和駅に到着した。サクラを見に来た見物客もものすごい数で、みんな思い思いに線路の上で写真を撮っている。慶和駅はすでに営業していない廃駅ではあるが、線路自体はまだ使っている。遠くから警笛が聞こえてきたが、見物客は動じる様子もない。そのうちヘッドライトをつけた列車の姿が見え始め、さらにけたたましく警笛を鳴らし接近してくると、見物客は「ここって列車走ってたの?」と腑に落ちない様子。線路上で列車に背を向けて写真を撮ってる輩もいるが、いずれも列車がギリギリまで近づかないとどこうとしない。列車は運転席(助士席側)の窓を開け、副機関士が「どけやゴルアー!」と叫んでる始末だ。

セマウル号 反対側は色違い


撮影を終えたのでまた鎮海駅前に戻る。そろそろ日暮れ時も近いので宿を探さないといけない。鎮海レベルの小都市にまともなビジネスホテルがあるとも思えず、駅前のしょぼい旅館に行くが、なんかうらぶれたところで、テンションが激しく下がる。ソウルでも80年代の終わり頃にこんな旅館に泊まったことがあったなぁ。部屋にいると気が滅入りそうなので外に出る。

中心部のロータリーでは海軍によるパレードが行われている。しばらく眺めた後、さっきの屋台街で夕食代わりにパジョンとマッコリを頼む。どちらも2人前はある量で、パジョンは完食したものの、マッコリ(1.5リットルはあっただろう)は3分の1を残してしまった。

海軍のパレード 海軍のパレード
マッコリが飲みきれなかった 夜の屋台街


ほろ酔い気分となったところで余佐川に夜桜を見に行く。昼と違ってライトアップされたサクラもなかなか捨てがたい魅力がある。30分ほど散策して帝皇山に登り、また下りてくるとロータリーの特設舞台ではオーケストラによる公演をやっていたので勝手にイスに座って休憩がてら見物する。伝統音楽公演や海軍士官学校の生徒有志による歌謡ショーなどを見た後、コンビニでビールとつまみを買い旅館に戻る。

夜桜 似たような写真ばかりでごめん
アングル変えられなかったんだもん 特設ステージでの公演


翌朝は早めに起き、朝食はマクドナルドで済ませた。早起きした理由は慶和駅での撮影のためで、朝の時間帯は1時間の間に上下合わせて3本の列車が走るので効率良く撮影できるというわけ。まずは鎮海駅で到着するセマウル号を撮影し、バスで慶和駅に移動する。慶和駅で鎮海行のムグンファ号、鎮海発のセマウル号、鎮海発のムグンファ号をそれぞれ撮影した。もっとも、有名撮影地でもあり、列車ぎりぎりまで人が近づいているのであまり納得できる写真は取れていないんだが。

鎮海駅に入線するセマウル号 鎮海駅のセマウル号
慶和駅 列車接近中
慶和駅 列車接近中
列車接近中 ムグンファ号


■慶和駅を通過中

撮影を終えて慶和駅前の集落を散策。特に何があるわけでもなく、またバスで鎮海駅に引き返す。とりあえずサクラも堪能したので昼前のシャトル列車で昌原に抜け、そこからさらに釜田まで行くことにした。午前中のせいか鎮海発のシャトル列車は乗客もほとんどおらずほとんど貸切状態だった。

昌原から釜田に出たが、釜山駅まで行ってKTXに乗ってソウルに戻るのもかったるく、地下鉄で1駅の西面まで行き食事の後バスで金海空港に向かい飛行機でソウルに戻ってきた。ソウルと鎮海の間は、KTX利用でも飛行機利用でも乗り継ぎの都合などで片道3時間はかかるわけで、あまり気軽に行ける場所ではないんだけども、満開のサクラはそれだけの時間をかけてでも行く価値はあると思われる。だからこそほぼ毎年通ってるわけで、オレとしても韓国内でこれだけ通ってるところなんてほかにないくらいだし。ゆえに鎮海は自信を持ってオススメしたい。ただしサクラが「満開」のときという但し書きが必要だけどもね。

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