正東津で初日の出を拝む
2003.1.1
2000年から2001年にかけての年越しは光化門でカウントダウン、その後南山タワーで「21世紀最初の日の出」を撮影した。いずれも当時勤めていた会社の企画によるもので、寒い中3時間もガタガタ震えながら場所取りして初日の出を撮影した思い出がある。
翌年の01年から02年にかけては、この日記にも書いたけど、友人宅で肉を焼きながら過ごしてから鍾路に出てカウントダウン、ついでに年越しそばを食ったわけだ。
さて、今回はどうしようか。鍾路で年越しというのも、それはそれで面白いし、普信閣の鐘も除夜の鐘として鳴らされるのも見どころではあるのだが、去年経験しているのでそれもどうかなと。ついでに、在韓米軍による女子中学生死亡事故の余波で、光化門から鍾路一体は100万人規模のデモが行われるという情報もあったりで、そういううざったいものはできるだけ避けたいとの思いもあったりする。デモ自体に反対する気はないなけど、在韓アメリカ大使館が光化門のすぐ近くにあったのが運の尽き。連日のデモには少々うんざりしているというの正直なところなわけで。
そんなわけで、大晦日だというのになにも予定がないという悲しい現実に打ちひしがれていたのだが、午後5時過ぎに知人から「正東津行きの往復チケットが2人分あるんだけどいらない?」 電話が来て状況は一変したわけである。正東津というのは韓国の東海岸にある名勝で、海のすぐそばに駅があり、ドラマの舞台としてもよく登場する観光名所。そこで初日の出を拝むという韓国国鉄のパック商品があって、そのチケットがあるのだとか。誰も行けないので必要ならあげるという。正東津の存在は知っていたけど、わざわざ行きたいとは思ってもいなかったのでいい機会だ。ありがたく押し戴き、オレと同行のY嬢は清涼里を23時に出発するムグンファ号に乗り込んだのであった。
ところが、この列車がめちゃくちゃ込んでるのである。指定席はすべて売り切れで、あとは立ち席のみ。大晦日の夜行列車のプラチナチケットのようである。チケットをくれた知人には感謝感謝である。が、乗り込んでみるとオレの席にはすでに先客が。
「あの、私もこの席の切符をもってるんですが……」
と声をかけるとおとなしくどこかに移動していった。お前らな、立ち席のチケットなら座るな。指定券は売り切れなんだからお前らの席はないんじゃ。
席についてしばらくすると、かなりの数の乗客が乗り込んできた。子連れの家族とか、赤ら顔のおとっつぁんとかがほとんど。おとなしく立ってりゃいいものを、人の席にもたれかかってくるので非常にうっとうしい。発車して1時間で日付が変わると電話をしはじめる輩もぞろぞろ。え〜、夜行列車は寝てる人もいるので静かにするのがマナーなんですが、そういうのはご存じないんでしょうか?
気が付くと通路に立っていた客のほとんどがそのまま通路に座り込んでいる。酒飲んでいい気分なのか、寝転がってるのまでいる始末。通路はすでに通路として使うことはできないありさま。そこを無理に通行しようとするやつらは、座席についてる取っ手をつかんで歩くのだが、そのたびにオレの体は後に引っ張られて目が覚める。そして、オレの横でへたりこんでたおっさんは、オレの席のひじ掛けに腕をのっけて熟睡中。このひじ掛けはオレのものであると領有権を主張しておきたいところ。ふと「軒を貸して母屋を取られる」ということわざを思い出したので、負けずに領土を侵犯してくるおっさんを押し出して安眠体制を確保する。が、このおっさんがもたれているので、座席横のリクライニングのレバーを引けない。ぜんぜん寝られやしないのである。叫びまわるガキはいるし、におい系のつまみを食いながら酒飲んでる一団はいるし、どうも楽しい旅行気分とはほど遠い。
明け方5時45分に正東津に到着した。この列車は2つ先の江陵が終点だが、ここでほとんどの客が降りる。小さな駅の中は大混雑している。駅舎と反対側の通路からでるとすぐそこが海で、すでに人が集まり始めている。
■ 5時45分に正東津駅到着
ちなみに日の出時刻は7時39分とのこと。30分前には太陽が見え始めるとして、1時間半は待たなくてはいけない。気温はマイナス2度というから、まだ暖かいほうとは思うが、すぐそこは日本海の荒波。風も吹いてるし、体感気温はマイナス10度くらいはあったんじゃなかろうか。砂浜のあちこちでたき火をする人が出てきた。駅前側にはあたたかいものを販売する店もあるのだが、砂浜側は見事なまでになにもない。あったかいうどんでも食いたいところだがそうもいかない。ちなみに、正東津というのはソウル(景福宮)の真東にあることからついた名前だそうだ。
■ 東の空が徐々に明るくなってきた
7時を過ぎて徐々に明るくなり始めると人並みはさらに増えてきた。この間にも列車は続々と到着し、さらに人が増えている。上空にはテレビ局のヘリが飛び回り、だんだん気分ももりあがってくる。
日の出の時刻である7時39分になり太陽が見えてきた。どこからともなく拍手がおき、あちこちで記念撮影のシャッター音がする。10分ほどで太陽はその姿をすべて現した。天気予報では曇りの予報だったのだけど、晴れてくれたので助かった。7時間も列車に揺られて初日の出が見られなかったんじゃぁぜんぜん意味ないもんな。
一応の満足感を得て、我々一行は江陵経由でソウルに戻ったのであった。
以下写真でお楽しみください。
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■左:日の出は近い。もうすぐです。 ■右:あともう少し。この時間がもどかしい。
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■左:日の出直前。人が集まってきた。 ■右:うっすらと見えるアレが太陽です。
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■左:ついに出てきました。 ■右:初日の出です。あけおめことよろ〜!
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■左:その姿を完全に現した太陽。 ■右:駅のホームから見た初日の出。街灯がジャマだ!