平壌遊園地へようこそ!
偉大なる首領様がお生まれになった4月15日は「太陽節」として、朝鮮人民の祝日となっています。今回はそれを記念して平壌遊園地の潜入ルポをお送りします。本邦初公開(?)の画像をお楽しみ下さい。
手元にある「朝鮮観光案内」という朝鮮の観光ガイドブックによると、平壌市内には聖地万景台にある「万景台遊園地」と、凱旋門に隣接した「凱旋青年公園」、普通江の川べりにある「普通江遊園地」の3つの遊園地が記載されている。今回訪れたところがどこにあたるのかは、残念ながらはっきりしない。バスに乗って案内員に連れられて来たのがこの遊園地だったというわけだ。
なぜオレがこの遊園地に来たのかというと、北朝鮮支援を行っている韓国のとあるNGOの関係者から「北朝鮮の遊園地視察ツアー」に行こうと誘われたからだ。地理的にソウルから平壌は航空機で1時間と非常に近い距離にある。日帰りという短い日程だが、またとない機会なので参加することにしたのだ。
朝鮮の遊園地だからとバカにするなかれ。来てみて驚いたのだが、ジェットコースターは生意気にも3回転宙返りなのだ。とはいえ、他の遊具は日本や韓国の最新鋭遊具を見慣れた目にはややチープに映るのも事実だ。
これは「ハヌルチャ」というのりもの。「ハヌル」は空、「チャ」は車のことなので、直訳すると「空車」って、それじゃタクシーじゃねぇか。いちおうエンジンがついていて、後部座席の足元にあるペダルを踏むと動く仕組みになっている。園内を一周するルートだが起伏はまったくなく、はっきりいうと子どもだましな感じ。もっとも、この遊園地は子ども向けであり、遊具のサイズもやや小さく、大人が乗るにはいずれも窮屈なシロモノだ。子ども優先の設計であるのは故金日成主席の指示によるものだとガイドが教えてくれた。
こちらは園内を走るモノレールのようす。レールの規格は「ハヌルチャ」とほぼ同じ。ただ、こちらは電気で動く上、最前部には運転手が乗車する。運転手は女性で、女性の職場進出が定着している朝鮮ではごく普通の光景だといえる。ちなみに運転と言ってもレバーをスタートとストップの二通りの切り替えるだけなので、実はサルでも動かせるらしい。
こちらはモノレールの駅に掲出されていた安全運転の心得。街中に貼られている体制賛美の独特なセンスのポスターとはまた違ったセンスの絵が特長。モノレールのほか、バイキングなどの乗り場にも同様のデッサンの狂った絵が貼ってあった。かなりチープなセンスに失笑を禁じえない。
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名前は忘れてしまったのだけど、なにやら小型の宇宙船というか、UFOをイメージした乗り物です。ぐるぐる周りながら操作によって上下に動くのですね。これはもしかして、アレですかね? 金正日総書記自ら現地指導で乗り込んだと言われる……。
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つーことで上の写真を拡大したのが左で、右は韓国の中央日報に掲載されたもの。同紙の2001年9月10日付記事によると、『金正日国防委員長が1977年10月、大成山遊戯場で現地指導しながら、遊戯場にある乗り物「電子戦闘機(北朝鮮では回転飛行機)」に直接乗ってみている。』とある。するとこの遊園地は大成山遊技場なのだろうかねぇ?
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園内を走るミニSLの最後尾にはなぜか花の絵が。韓国の国花であるムグンファ(むくげ)であることに気付いたあなたはスルドイ! 右側はミニSLよりもさらに小さい「アギチャ」。「アギ」は子ども、「チャ」は車(この場合は汽車だね)の意味。後ろに立っている看板もやはりかなりチープな雰囲気をかもしだしてますな。
これも名前わかならないんだけど、ぐるぐる回るブランコだね。傘の部分が上下して、ひねりを加えて回転するのだが、なかなか気持ちよさそうだ。そういえばいつだったか中国でこれと同じ遊具が客を乗せたまま壊れちまってけが人が出たはずだ。傘がいきなり下に降りちまったというやつだ。日本の「決定的瞬間」系の番組でもたまに見かけるだろう? 平壌ではそんなことが起きないように祈ろう。
さて、この遊園地は実は巨大な公園の一画にあって、遊園地のほかには動物園や植物園などの施設がある。遊園地の視察が終わったので、他の施設の視察に向ったのだが、その途中には「大韓民国空軍」と表記された軍用機が展示してあった。案内員の話しによると、83年に韓国空軍の少尉だか中尉だかがこの飛行機で亡命してきたのだそうだ。亡命してきた韓国人の消息は知るよしもないが、飛行機だけは平壌市民の教育用として展示されているというわけ。
こちらは動物園のあるエリア。世界のどこに行っても動物園は子どもたちに人気スポットだ。ここ平壌でも市民の憩いの場として人気が高いという。写真は鳥類のいるエリアで、整備されたばかりなのか非常にキレイだった。同行のメンバーらは外国人の視察用にあわてて整備したんじゃないか、などと噂していたが、それもまたありうる話しではある。案内員に聞いてもまともな返事は返ってこなかったのだけど。
公園の端までいくと、すぐそこには人民文化宮殿が見えた。同行のメンバーのうち別のグループはこちらの視察にいっているという。ちなみに写真は建物のいちばん端の部分。ものすごい大きな建物なのでこのアングルでしか写真が撮れなかった、と言えば人民文化宮殿のスケールがおわかりいただけるだろうか?
こんな感じで平壌遊園地視察ツアーは慌ただしい日程のなかで終了した。この後、一行は冷麺の名店玉流館で食事をし、お土産などを購入して平壌をあとにしたのだった――。
「ふ〜ん、なるほどね」などと感心しているそこのあなたには、「人を見たらまず疑ってかかれ」という言葉を捧げたい。そう、ここは平壌なんかではなく、ソウルの「子ども大公園」なのである。
1年前に初めて訪れたとき、あまりのチープさにかなり脱力した記憶があるのだが、そのチープさがどこか北朝鮮を連想させたのでこうしてホームページに掲載してみた次第。書かれている内容はほとんどウソなのでご注意を。しかし、「電子戦闘機」がまったく同じスタイルなのには参ってしまったよ。いったいどういうことなのかしら? ちなみに「子ども大公園」も77年前後に開園しているようなのであるが、南北とも同じスタイルの遊具があるということは信じられない。どこかから輸入でもしたと考えればつじつまはあうのだが。とんでもない謎にぶつかったようである。
「子ども大公園」に遊園地と植物園と動物園があるのは事実で、この公園はかなり広い。園内には案内看板も多く設置されているのだが、前回訪れたときには「遊園地→」という看板に英語で「Small Disney Land」と表記されていてかなりずっこけた。誰も知らないうちにソウルにディズニーランドができていたのだから、これはスクープものである。今回デジカメを持参していたので、その看板を撮影しようと思ったのだが、なんたること! すでに消されているではありませんか。それでも確かに「Small Disney Land」と書かれていた痕跡は残っていたのだが。やっぱりワールドカップを控えてそういうのは消されていくんですかねぇ。
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